1.アラム人ワファ(Wafa the Aramaean)
アラム人ワファ(もしくはワアファ)は、キリスト教時代より相当昔に生きた古代哲学者にして詩人の一人である。彼に関しては、ティクリットのアントンによってのみ言及されている。「詩文の第五韻律は多少増減するが通常6か7の節からなる。この韻律はアラム人哲学者ワファによるものである。何世代もの間その名が知れていなかったこの人物による詩作は、この芸術(詩文)が我々と同じく古くからのものであることを証明している。」アントンはまた、ワファによる詩文の一節を引用し、彼の韻律を曲にあわせるために変調することを自ら許している。
「我、貴族出身のワファ、彼の不安を追い散らし彼の悲しみを追いやりし者
我、悲痛と苦悩を、怒りと不安の噴出と同様に追い払うことにより、彼の心を休めし者。
彼らの不安を増す者らには、不幸が永久に彼らの客となるゆえに。」
アントンはまた、「この型の詩文は恋歌の様式で詠まれ、凱旋歌や結婚雅歌の作者たちが詠む慣わしであった。」と述べている。ワファについて知られていることは以上である。
資料:THE HISTORY OF SYRIAC LITERATURE AND SCIENCES
/ PATRIACH IGNATIUS APHRAM I BARSOUM
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