福音記者聖ルカが描いたと伝えられるイコン.(エルサレム聖マルコ教会)
シリア正教とは何か ―その波乱万丈の歴史と豊かな文化―
   この章はSyriac Orthodox Resources At a Glance を訳したものです。

 

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礼拝の形式
 詩篇119の164節にある「日に七たび、わたしはあなたを賛美します。あなたの正しい裁きのゆえに」に従い、シリア正教では1日に7度の祈りが定められています。@夕方、ramshoの祈り(晩祷)、A幕を上げる、Sootoroの祈り(終祷)、B夜中、lilyoの祈り、C朝、saphroの祈り(朝祷)、D3時制、tloth sho`inの祈り(午前9時)、E6時制、sheth sho`inの祈り(正午)、そしてF9時制、tsha sho`inの祈り(午後3時)です。夜中の祈りは、3人のqawme「不寝番」(文字通り「立って」)が行います。

 教会の一日は、日没から始まります。例えば、月曜日は日曜日の夕方の日没から始まるのです。従って、実際に月曜日の晩祷(ramsho)と終祷(sootoro)は、私たちの現代の数え方では日曜日に行われます。今日では、修道院においてさえも、晩祷と終祷は同時に行われ、夜中の祈りと朝祷が同時に行われ、そして3時制、6時制、9時制の祈りが同時に行われるので、実際は祈りの機会は3回となります。

 祈りの間、礼拝者は東を向いて立ち、両腕を伸ばします。(なぜなら「稲妻が東から西へひらめき渡るように、人の子も来るからである」(マタイ24:27))。

 十字架は右手で切ります。親指と人差し指と中指を合わせ、キリストがたった一人の救世主であることを表すために人差し指を親指と中指よりも伸ばし、十字架は額から胸へと下ろし、そして左肩から右肩へと描きます。この伝統的な方法は、主キリストが天から地に降り、そして私たちの肉体を暗黒の暗い道(左)から真実と光の道(右)へと回復して下さったことを象徴しています。

 公の祈りは、シリアのキリスト教にとってとても重要なものです。伝統的に、神聖なQurbono、すなわち聖餐式は、毎週日曜・水曜・金曜に行われます。現在では修道院のみが水曜と金曜に聖餐を行っています。修道院やいくつかの教会は、shhimo(シンプル[な祈り]) として知られている毎日の祈りを行います。

 説教は別ですが、全ての祈りは聖歌やメロディーの形式で歌われます。これまで何千もの旋律とメロディーが作られましたが、不幸にもそれらの大部分が失われてしまいました。まだ数百程度のメロディーは残存しており、これらはシリア語ではBeth Gazoとして知られている旋律選集に保存されています。音楽の表記法が開発されていなかったのでこうした旋律は口頭で代々伝えられ、結果として、多くの音楽学校が設立されました(マルディン、エデッサ、トゥール・アブディン、そしてカルプット等が例として挙げられます)。

 聖餐式の間、司祭と助祭はシリア正教会に特有の精巧な祭服を着用します。中東、インド、ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアにおいても、どこでも同じ祭服が聖職者全員によって着用されています。

[教会の位階組織]

(英語原文はこちら:http://sor.cua.edu/Intro/index.html

   
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