■結び
様々なシリアやシリア起源の古代教会―シリア正教、東方教会、カルケドン派メルキト(ビザンティンもしくはルーム正教)、そしてマロン派―は、その歴史のほとんどにおいて近隣にも遠い地にもキリストへの信仰を公然と示した誇るべき歴史を持っています。今日世界の何百万というキリスト教徒たちが、その地方教会や文化について、これらの、明らかに歓迎されない社会へ旅することを恐れなかったのみならず、かつて現代の宣教手法に千年以上も先立ち、彼らの伝統的なシリア語の表現を現地の言葉や慣習に適用する勇気をもっていた、古代の宣教師達の信仰の恩恵をこうむっています。その結果彼らの教会は、様々な言葉を用い(シリア語の特別な箇所は残されましたが)、非常に幅広い国々と民族からの人々を含むことになりました。イスラム支配の下で課されたミレット制、そして19-20世紀ヨーロッパのイデオロギーであるナショナリズムの壊滅的な影響の結果、この古代の多様性はあまりにもしばしば忘れ去られたように見え、また外部の人々にとって教会はむしろあまりに内向的に見えることでしょう。シリア教会が中東の他アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアに相当な人口を持つようになった今日、もしかすると彼らはまた彼らの宣教意欲を取り戻し、彼らの教会に新しい改宗者の世代をもたらすかもしれません。
(英語原文はこちら:THE HIDDEN PEARL VolumeU,p199)
中央アジアのシリア教会:主な考古学発掘物
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中国
ハラ・ホト
(ラバン・ソーマの「タングートの町」)
西安
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シリア語祈祷書断片(13世紀)
中国語とシリア語の石碑、日付781年
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ウイグル地区
ウルムチ
敦煌
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十字架レリーフ
シリア語聖句集断片;中国語訳
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吐魯番(トルファン)オアシス
葡萄溝(ブライク)
コチョ
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シリア語、ソグド後、ペルシャ語、テュルク語の文書が見つかった修道院
壁画
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カザフスタン
タラス
セミレチエ(バルハシ湖南)
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墓(9-10世紀)
墓石(858年から1338年;そのほとんどがシリア文字のテュルク語);キリスト教を題材としたレリーフ |
キルギスタン
アク・ベシム
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教会(8世紀);墓;修道複合施設
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タジキスタン
アジヴァドゾ(ajvadzh)近く
ダシャット・ウルダコン(dasht urdakon)
ペンジケント
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石像
十字架
壁画(7/8世紀);青銅十字架;十字架の記された硬貨;納骨堂;シリア語詩篇1-2が記されたオストラコン(8世紀) |
トルクメニスタン
アクテペ(Ak Tepe)
ゴクテペ(Gok tepe)
クンジャ・ウルゲンチ(Kunja Urgench)
メルヴ(Merv)
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十字架のある封印
十字架のある断片
十字架模様のタイル
青銅の十字架
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ウラル(地方)
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聖書の場面のある銀の皿
(そのうちひとつはシリア語の銘がある) |
ウズベキスタン
アフラシアブ(サマルカンド)
ミズダカカン(mizdakhkan)
ウルグット |
青銅の十字架;納骨堂
納骨堂
シリア語碑文;シリア語碑文のある香炉 |
(英語原文はこちら:THE HIDDEN PEARL VolumeU,p200)
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